2009年6月、スーパーカブ110が発売された。
実質的にスーパーカブの初のモデルチェンジと言ってもよい、完全なフルモデルチェンジとなった。
そもそも従来のカブは、より以前に生産中止されてもおかしくはなかった。
ホンダにはスクーターもあり、デリバリー用ジャイロもある。しかし、新聞や郵便のデリバリー専用機としてマッチした日本の国土事情と伝統もあり、根強いファンがいるのも事実である。なおかつ、スーパーカブは二輪車から出発したホンダの原点でもある。その火を迂闊に絶やす訳にもいかない。
これらの事情のなかで、東南アジアで開発されてきた派生モデルの著しい発展をよそに、本家スーパーカブの進化は停滞し、先送りされてきた。
こうして元祖モデルは半世紀に渡る歴史の重さゆえに、系統樹の行き止まりに突き当たってしまうのである。
しかし、環境がキーワードとなる現代。
排ガス規制はより強化され、単なるマイナーチェンジでは対応しきれず、グローバル経済から孤立した生産環境も改善せねばならない。
また、中途半端なモデルチェンジでは需要の減り続ける新聞販売店と一部のマニア向けだけになり、採算性の悪いマーケット向けではそもそもモデルチェンジの意味がない。
一方、東南アジアで進化し続けてきたワールドスタンダードのカブを単純に持ち込むだけでは国内需要とのズレが生じる。圧倒的多数となった東南アジア向けのカブでは特殊な市場となった日本人の要望に対応しきれないのだ。
しかし、規制強化が進むなか、絶滅危惧種の状況をもはや看過できなくなったホンダは国内向けスーパーカブのフルモデルチェンジの英断を下した。
そう、誕生から50年。
新生スーパーカブの開発にようやくゴーサインが出されたのだった。
(つづく、のか?)
(なおこの記事はフィクションであり、実在する人物、地名、商品とは一切関係がありません)
2 件のコメント:
>(つづく、のか?)
ぜひつづきを・・・
あ、リクエスト入っちゃいましたね(笑)
1人でも読む人がいたら、続きを妄想予定でした(笑)
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